『膝の痛み』と『気血』
へそ占いというものがありますが、へそは本当に個性的ですね。みんな色々な形のへそをしています。「へそ」を東洋医学的な見地から見ますと、へその形はその人その人の健康状態を現わしてもいるんです。
へそは縦長よりも、お餅を横から見たように横から見たように偉そうにふんばっているのが良いのです。そんな人は胃腸が丈夫であるだけでなく、五臓六腑もしっかりしているんですね。身体が強くいわゆる免疫力もしっかりしています。ところが、歳をとったり、生まれつき胃腸の弱い人、腺病質な人や大病を患った人
は、泣きべそをかいています。ジクジクしたへそや、固くなったへそたれさがったへそ、横のほうにひっぱられたように、そっぽを向いているへそ、などですね。
泣きべそをかいている人の病気
胃下垂、胃弱(消化不良)、慢性の下痢、または虚弱な無力性便秘、腹や手足の冷え性、脱肛、痔、慢性の膀胱障害(頻尿、夜間頻尿、遺尿「尿が漏れる」残尿感、etc) その他、各種神経痛「坐骨神経痛」、慢性の腰痛症、膝関節痛、リウマチ、月経痛、不妊症、夜尿症、小児疳の虫、不眠症、いわゆる自律神経失調症などです。
 
へそ(臍)そのものは、鍼灸医学では「神厥」と呼ばれる大切なツボで、解剖学的にも重要な場所であることは皆さんもご存じのとおりです。その神厥へ『へそ灸』と称して竹筒を利用して塩温灸をします。へそ灸の効果は続けて実行した人からは絶賛です。上に挙げたような疾患はてきめんですね。ぜひ実行してみてください。以下に『へそ灸』の仕方を説明いたします。
へそ塩温灸のやり方
  1. 上図のようにしてまずモグサのダンゴを作ります。
  2. 底を薄い布でふたをした竹筒の中へ塩(天然の海水を精製したもの、海の精「商品名」etc)を8分目くらい入れます。モグサのダンゴの大きさにより熱い時は多めに、ぬるい時は少な目に。
  3. あらかじめ作っておいたモグサダンゴのオシリに火をつけて、竹筒の中の塩の上に乗せます。
  4. 塩は数回用いて汚れたら替えてください。出来るだけ新鮮な天然の塩(海の精、赤穂の塩etc)などが良いのですが、毎回そのたびに取り替える必要はありません。
  5. 腹冷え、下痢、消化不良、などの時はへその上にじっとのせていて熱くならない程度が一番良く、神経痛や筋肉痛などに用いる時は局所、(痛む場所)が少し熱くなるくらいの温度で用いても良い。ビワの葉エキスなどを塗った上から温めると良く効きます。
  6. へそ灸は気持ちが良いので寝床の中でしている時よく眠くなります。火のついたモグサをふとんの中にころがさないよう、火事に気をつけて下さい。火のついたモグサダンゴを乗せたまま竹筒をへその上に置き、竹筒を取り囲むようにタオルを巻くと、ずれ落ちしなくて安定します。
 
※上記の文章【但し、写真は除く】は全て、琴平シマヤ鍼灸院院長・(有鍋漢方薬局)シマヤ真代表取締役であります、真鍋立夫(まなべたつお)氏のホームページより引用しました。